解の公式はなぜあの形?二次方程式の公式を「平方完成」から見る
もくじ(9)
中3で習う解の公式は、数学の中でも「長くて覚えにくい公式」の代表かもしれません。
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
を見て、
「どうして急にこんな形が出てくるの?」
と思う人も多いでしょう。
この公式は、誰かが覚えにくくするために決めたものではありません。
一般的な二次方程式を、平方根で解ける形まで変形した結果です。
まず、二次方程式には3つの主な解き方がある
中学校では、二次方程式を見たら主に、
- 因数分解
- 平方根を使う
- 解の公式
を使い分けます。
たとえば、
x²=9
なら、
x=±3
と平方根を使えばすぐ解けます。
一方、
x²+5x+6=0
なら、
(x+2)(x+3)=0
と因数分解するほうが簡単です。
二次方程式全体の使い分けは、二次方程式がわからない中3へで整理しています。
解の公式の出発点はax²+bx+c=0
どんな二次方程式にも使える形として、
ax²+bx+c=0
を考えます。
ただし a≠0 です。a=0なら二次方程式ではなくなります。
目標は、この式を
○² = 数字
の形へ近づけることです。
そこで「平方完成」という考え方を使います。
平方の形を作ってみる
まず、
ax²+bx+c=0
からcを右へ移します。
ax²+bx=-c
両辺に4aを掛けると、
4a²x²+4abx=-4ac
です。
ここで左辺を見ると、
(2ax+b)²
を作れそうです。
なぜなら、
(2ax+b)² = 4a²x²+4abx+b²
だからです。
そこで両辺にb²を足します。
4a²x²+4abx+b² = b²-4ac
左辺が平方になり、
(2ax+b)² = b²-4ac
となりました。
平方根を使えばxまでたどり着ける
両辺の平方根を考えると、
2ax+b = ±√(b²-4ac)
です。
bを右へ移して、
2ax = -b ± √(b²-4ac)
最後に2aで割ると、
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
になります。
これが解の公式です。
長い形ですが、途中で特別な魔法を使ったわけではありません。
二次方程式を平方の形へ変え、平方根を使ってxを取り出しただけです。
平方根の計算に不安がある人は、平方根がわからない中3へも確認しておきましょう。
実際の数字を入れてみよう
2x²+3x-2=0
を解の公式で解きます。
a=2、b=3、c=-2
です。
公式へ入れると、
x = {-3 ± √(3²-4×2×(-2))} / (2×2)
根号の中は、
9+16=25
なので、
x = (-3 ± 5)/4
です。
したがって、
x=1/2 または x=-2
となります。
一番多いミスは「負のb・c」をそのまま入れること
たとえば b=-3 なら、公式の最初は
-b=-(-3)=3
になります。
また、c=-2 のような負の数を代入するときは、
4×2×(-2)
のように必ずかっこを付けます。
符号のミスが多い人は、数字を入れた直後に計算せず、a、b、cを一度横に書いてから代入すると安全です。
因数分解できる問題にも解の公式を使っていい?
数学的には使えます。
ただし、因数分解で一瞬で解ける問題に解の公式を使うと、計算量が増えてミスしやすくなります。
因数分解の見分けが苦手なら、因数分解の公式が覚えられない人へも参考にしてください。
テストでは、
簡単に因数分解できる → 因数分解
x²=数字にできる → 平方根
どちらも使いにくい → 解の公式
くらいの順で考えるとよいでしょう。
√の中のb²-4acにも意味がある
解の公式の根号の中、
b²-4ac
は、解の個数と関係します。
中学校ではまず公式へ正しく代入できれば十分ですが、
- 正の数なら実数の解が2つ
- 0なら実数の解が1つ(重なる)
- 負の数なら中学校で扱う実数の範囲では解がない
という違いがあります。
公式の形には、答えの性質まで入っているわけです。
まとめ
解の公式は、突然与えられた暗記用の式ではありません。
ax²+bx+c=0
を平方の形へ変えると、
(2ax+b)²=b²-4ac
となり、そこから平方根を使ってxを取り出すことで、
x = (-b ± √(b²-4ac)) / 2a
が出てきます。
すべての変形を毎回再現する必要はありませんが、「平方の形にして解いている公式」だと知っておくと、長い式も少し意味のある形に見えてきます。
ますっちで、今日の1つから。
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