なぜ数学では「x」を使うの?未知数の記号にxが多い理由と考え方
もくじ(8)
方程式では、分からない数を x と置くことがよくあります。
x+3=8
2x=10
のような式を見慣れると、「どうして未知数はxなの?」「aや□ではだめなの?」と疑問に思うかもしれません。
結論からいうと、未知数はxでなければならないわけではありません。xが多く使われるのは、数学の歴史の中で広まった表記の習慣です。
未知数はx以外でもいい
たとえば、「りんご1個の値段」を求める問題なら、
a 円
と置いても計算できます。
人数なら n、時間なら t のように、意味に合わせた文字を使うこともあります。
つまり、xに特別な計算能力があるわけではありません。
文字の役割は、まだ分からない数や変化する数を、いったん記号で置いて考えやすくすることです。
文字式そのものが苦手な人は、中1の文字式がわからない人へから確認してみてください。
x・y・zを未知数に使う表記を広めたデカルト
現在につながる有名な表記を広めた人物の一人が、17世紀フランスの数学者・哲学者ルネ・デカルトです。
1637年に出版された『幾何学(La Géométrie)』では、既知の量にa・b・cなど、未知の量にx・y・zなどアルファベット後半の文字を使う方法が体系的に用いられました。
この書き方がその後広く使われるようになり、現在の学校数学でもxが未知数の代表として登場します。
ただし、デカルト以前に「未知の量を記号で表す考え方がまったくなかった」という意味ではありません。代数学の記号は長い時間をかけて少しずつ整えられてきました。
「xはアラビア語の翻訳ミス」という話は?
インターネットでは、「未知数を意味するアラビア語を翻訳できず、xになった」という話を見かけることがあります。
面白い説ですが、xが未知数として定着した理由をそれだけで説明するのは適切ではありません。
中学生としては、デカルトが未知数にx・y・zを体系的に使い、その表記が広まったと理解しておけば十分です。
数学の記号は、一人がすべてを発明したというより、多くの数学者の工夫が積み重なって今の形になっています。
同じように記号の歴史が気になる人は、「=」は誰が考えた?も読んでみてください。
そもそも文字を使うと何が便利なの?
たとえば、
「ある数に3を足すと8になる」
という文章を、そのまま毎回書くのは大変です。
ある数をxと置けば、
x+3=8
と短く表せます。
さらに、両辺から3を引いて、
x=5
と計算できます。
文字を使うことで、文章の中にある関係を式として見える形にできるわけです。
文章題では「xが何か」を最初に書こう
文字を使う意味が分からなくなる人は、文章題の最初に、
りんご1個の値段をx円とする
のように1行書いてください。
これだけで、途中の x が何を表しているのか見失いにくくなります。
また、最後に x=120 と出たときも、「120円」と単位を付けて答えやすくなります。
方程式の文章題で混乱する原因の一つは、計算ではなく文字が何を表しているか分からなくなることです。
xには2つの使われ方がある
中学数学では、xは「未知数」だけでなく「変数」としても登場します。
方程式の、
x+3=8
では、条件を満たすxの値を探します。
一方、一次関数の、
y=2x+1
では、xはいろいろな値を取ります。
同じxでも役割が少し違います。
一次関数まで進んだ人は、一次関数がわからない中2へで「変数としてのx」も確認するとつながりが見えます。
1分チェック
次の文章をxを使って式にしてみましょう。
「ある数を2倍して5を足すと17になる」
ある数をxと置けば、
2x+5=17
です。
解くと、
2x=12
x=6
になります。
xそのものが難しいのではなく、「分からない数を一度名前で置いた」と考えてください。
まとめ
数学でxがよく使われるのは、xでなければ計算できないからではありません。
17世紀のデカルトが未知の量にx・y・zを使う表記を体系的に用い、その方法が広く定着したことが大きな理由です。
学校の問題では、歴史を覚えるより、xは何を表しているのかを毎回確認することのほうが大切です。
文字は数学を難しくするためではなく、長い文章や複雑な関係を短く整理するための道具だと考えてみてください。
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